人間は脳の10%しか使っていない。
非常にいい響き。ワクワクします。
「今は普通かもしれないが、俺だって本気を出して残りの90%を覚醒させれば人もビックリするような凄いことができるんだ!」という希望が持てます。
さてこの「人間は脳の10%しか使っていない」は実際のところはどうなんでしょうか?
一応この記事を書く直前にネットで調べてみましたが、どうやら結論は「科学的根拠のない誤解。実際には100%活用されている」とのことでした。あらあら。私が書こうとしたことと反対なのね。
「人間は脳の10%しか使っていない」とは少し文章が変わりますが、「人間は能力の一部しか使えていない」だったらどうでしょう?
この場合「人間は能力の一部しか使えていない」→ 多くの人にとって正しい、となります。
「インペアード・パフォーマンス」という言葉があります。あまり馴染みがないかもしれませんがアスリートの世界や心理学・神経科学ではよく知られている言葉。「自分でも気づけていないパフォーマンス低下」のこと。このインペアード・パフォーマンスの状態だと人間は本来持っているMAXの能力(頭脳や運動など)を出せなくなる。その状態について自分でも気づけていない、という点がインペアード・パフォーマンスの特徴。
アスリートや将棋棋士ですら「いかにインペアード・パフォーマンスを無くすか」に気を配っている。一般の多くの方はインペアード・パフォーマンスの影響が大なり小なりある状態で生活してるものと思われれる。私も含めて。
では、どのようなときにインペアード・パフォーマンスになるか。例を挙げだしたらきりがないので今回はよくあるケースだけ。それは「微妙な睡眠不足」。6時間や6時間半など。本人は「いや朝も問題ないし、日中も問題なく働けているよ」かもしれないが、多くのケースがインペアード・パフォーマンスになってるものと思われれる。
「将棋は頭脳の格闘技」と呼ばれることもあり、彼らは「勝つか負けるか」を生業としていて真剣勝負。いかに脳のコンディションをMAXにして試合に望むかを常に考えている。羽生善治からタイトルを奪取したこともあるトップ棋士もこちらの記事でインペアード・パフォーマンスについて言及している。
結局「脳の10%説」は誤解とのことだが、「自分の能力を出し切れていない」という事実は多くの人に当てはまるのかもしれません。まずは睡眠の質を整えるだけでも、眠っていたパフォーマンスが目を覚ますかもしれません。